『エヴァンスを聴け!』 中山康樹
ジャズ・ピアニスト ビル・エヴァンスのアルバム173+ボックスセット8 に検証を加えた本
というと 単なる アルバム解説本 みたいだが この方法論は 実は 生涯 いくつかの記録を残したミュージシャンの伝記としては もっとも有効なのではないか
しかも 中山康樹の分析 実に深い
ビル・エヴァンスの人間性をもあぶりだす 藝術の域に達しているではないか
ビル・エヴァンスというと 『リリカルで繊細』
女性に薦めても まず 間違いはない
ゆえに 女性的なピアニスト
という 印象を与えられてしまい 若いころ ジャズは格闘技だ という思想にかぶれていた わたしは 常日頃
ビル・エヴァンス? フフフフフゥ~ン 興味ないね
と思っていた
そのくせ 当時つきあっていたサイヨメに
『ビル・エヴァンスなんか ジャズの中では リリカルで繊細だし 聴きやすいんとちゃう?』
とかゆーて ワルツ・フォー・デビーを聴かせておったのだ
本音では アート・アンサンブル・オブ・シカゴを 聴かせたかったんだが それをやっちゃあ おしまいだね
しかし ジャズ・ピアニストの中島久恵さんも
『ビル・エヴァンスとショパンは 嵐もものともせず立ち向かう 男の中の男!!!』
言っておられたのだが わたしも アルバム『Explorations』を聴いたとき リリカルで繊細なだけではない 何か を感じたのだった
収録曲の イスラエル や ナーディスの カッチョイイ メロディーのせいでもあるのか知らんが 甘さ センチメンタリズム などとは無縁の 硬質なテンション
この5ヶ月後 25歳の若さで他界する スコット・ラファロのベースも すごい
なにはともあれ
『エヴァンスを聴け!』は 評価の高い この『Explorations』を含む リバーサイド時代の4部作 だけじゃなくエヴァンスの生涯を聴け!と 主張している
そんなわけで 車の中には いつでも エヴァンスが聴けるように テープをセットしているし CDも ブックオフ 半額セールを利用して 3枚ほど購入