『ポスト・オフィス』 チャールズ・ブコウスキー
職を転々とし 放浪生活を続けていた というブコウスキー
そんな彼が なぜか 郵便局で10数年 働いていたという
そんなに良いのか? 郵便局
この本は ブコウスキーの 自伝的処女長編で郵便局時代の 彼の姿が 切々と語られる
と いきなり
『この本はまったくのフィクションであり、誰にも捧げられない』
とくる
本の主人公 チナスキーと ブコウスキーが どこまでダブっているのかは わからないが
狂った女に出会うわ 洪水の日に車を水没させるわ 犬に追いかけられるわ 散々な目にあって 昼飯も食えず まともに勤務時間内に 仕事を終えたことがない という 補欠の郵便配達に明け暮れた日々を経て 安定した常勤に出世した チナスキーが ふと呟く
「補欠の頃に比べると、どうも魅力に欠けるような気がする。次にいったい何が起こるのかまったく不明の、「一寸先は闇」的魅力に欠けている気がしてならなかった」
このつぶやきの中に ギャンブルに強く とぎれることなく 女が転がり込み 日常の出来事が 話として面白い そんな チナスキー(ブコウスキー)の秘密が 隠されている気がする