「スターダストって、何か知ってるか?」
「・・・・」
「星屑や」

唐突な質問に、とまどう間もなく、答えを言ってしまう父親
あれは、どんな意図があったのだろうか?
謎を残したまま、父親も、逝ってしまった。
夜空の星屑にでも、なったんだろうか・・・

筒井康隆の小説に

『男たちのかいた絵』

というのがあって、わたしが思うに、ハードボイルド小説の最高傑作だと思うのだが、「ふたりでお茶を」「夜も昼も」「身も心も」と、ジャズのスタンダードナンバーを題名にした短編集である。

その中に、星屑(StarDust)も、ちゃんと収まっているのだが、不覚にも、阪急線の電車内で、読んでいて、プッと噴出してしまった。

表情筋の緩みは、西宮北口から、十三(じゅうそう)までの間中、納まらず、こみ上げてくる爆笑衝動を、死ぬ気でこらえたものだ。
こういうのを、笑殺爆弾というのだろう。

それがなぜ、ハードボイルド?
ぜひ、読んでもらいたい。
読めばわかる。

さて、プック・オブで、

「Star Dust」

というCDを、ゲットした。
全17曲 全部 Star Dust!!

いきなり、マントバーニ・オーケストラ!

甘いメロディーを、とことん甘く演奏すると、退廃的ですらある。

ビング・クロスビー、パット・ブーン、コニー・フランシス、エラ・フィッツジェラルド、サラ・ボーン、、、いろんな歌手が、この曲を愛でたのがわかる。

このCDに入っていないが、ナット・キング・コールなんかも歌っていたし、ジョン・コルトレーンが演奏しているLPを、持っていたことがある。

コルトレーンのは、最初のヴァースがなく、いきなり、ぶっきらぼうに主旋律を吹きはじめるのが、なかなかカッコいい。
ベースのポール・チェンバースのアルコ(弦を弓で弾く技術)ソロが、いいあじ、出している。

しかし、わたしの Star Dustのベストは、シャボン玉ホリデーのラストで、植木等が、ギターで爪弾くものだ。

Star Dustの原体験だからだろうなあ、、、きっと。