サイボーグへの道   

おやじカヤッカー サイヨバ  

2005年03月

進化 ?

カヌーのフリースタイル競技のワザの進化は、ボートの進化なしには考えられない。
E・Jが現在もなお、トップであり続けている背景には、フリースタイル競技が必ずしも身体能力のみで競い合うものではないことを物語っている。
もし、フリースタイル競技が、早い段階でボートのレギュレーションを決めてしまっていたなら、当然若くて体力のある選手が、圧倒的に有利なわけだし、現在ほど、ワザが進化したとは考えにくい。
ここ10年間で、ボートの最大の進化は何か?
わたしは、静水でカートウィールができるようになったことではないかと思う。
かつて、カートウィールをするためには、すばぬけた身体能力か、非常に条件に恵まれたプレイ・スポットか、スクォート艇のようなダウンリバーやスポットプレーにはいささか不向きな、特殊なボートか、のうちどれかが必要だった。
現在は、ダウンリバー、スポットプレー、静水パフォーマンスのどれもが楽しめるボートが、市販のプレイボートの主流をしめている。
これは、かつては、夢のような状況だったのではないだろうか。
増水した川のホールで、トランジションでエンダーの練習をしていた頃や、ヴァーチゴでエディーラインを使ってスターンカットを延々と練習していた頃を思い出すたびに、そう思うのだ。

進化 ?

今、手元に1995年の「カヌーライフ」がある。
この頃のカヌーライフは、フロムリーダースの読者の声に対する編集部のコメントが超辛口炎で面白い。実はオレ、このコメントが面白くてカヌーライフ買っててんけど、最近どーなってしもたんやろ。最近のコメントには、あのこわもてのF編集長が、妙に人懐っこい笑顔を貼り付けてにじり寄ってくる困ったみたいな不気味さがあるんだ。
閑話休題。その中でロデオ(現フリースタイル)の最新テクニックが特集されている。
ざっと項目だけ挙げてみよう。

ホールプレー
スピン、エンダー、ピロエット、リテンドー、ウィペット、マックツイスト、ポリシュエンダー、ウイングオーバー、インバート、カートホイール、スプリットホイール

笑顔 なつかしー、という人もいるでしょう。
困った 何じゃこりゃー!という人もいるでしょう。

ワザを決めたあと、まだホールに残っていることがリテンドーというワザになっているところがすばらしい!
インバート、てワザなんかはスゴイ!!
ホールでわざと沈してエンダーで復活するという、今で言うとホールの中で、ゼロツーヒーロパーティートリックをするようなもので、ほんまにねらってできたんかー?という感じだ。
ウィペット・ウイングオーバーといったカートホイールの前半・後半みたいなワザもあるし、マックツイストのようにスピンとカートの中間みたいなのもある。

カートホイール・スプリットホイールが究極のワザだったんだね。この頃は。
第三回ワールド・ロデオの模様も取材されている。
場所はドイツのアイスカナル。
EJがなんと、ダガーのトランジションの「スターンを30cmほどカットし、バーナーで熱して端を巻いて口をふさぐ」という実にデリーシャスなボートで出場している。これにしても3m前後はあるだろう。
しかし、ショートボート志向は、この頃すでに萌芽しているのである。
ところで、このボートの加工法って、WN謹製ショートボート「チビコ」に似ていませんか?





死んだ兵士の残したものは

テレビを見ていると、夏木まりがでていて、武満徹の曲を歌っていた。
最初に武満徹の曲を聞いたのは、確か中学の頃。
夕暮れ、暗くなりつつある部屋で、親父がFMラジオを流していた。
ミュージック・コンクレートとかいう実験的な音楽を紹介する番組で、『それでは、武満徹、怪談[kwaidan]より雪女』 というナレーションにつづいて、尺八を思いっきりデフォルメしたような音がスピーカーから出てきた。
次の瞬間オレは吹雪の中にいて、背後には雪女が立っていた。
何年か前に作曲が武満徹、作詞が谷川俊太郎で、石川セリが歌っているCDを買った。
その中の「死んだ兵士の残したものは」という曲に、死ぬ前の親父への気持ちがダブって、オレにとって特別な曲になった。
夏木まりは、これをブレヒトソングっぽく?唄っていた。
どっちかって言うと、オレは石川セリの方がぐっときた。
たぶん、聴いた時のタイミングもあると思う。

make a strong 3

make a strong という言葉は、金髪のおねえさま、ダネット(2月20日の記事:参照)が、venちゃんを鍛えてくれ、とわたしに託した言葉です。
彼を強くして!というわけですが、venちゃんのようなさわやかしたたかなオヤジを鍛えるのは、よごれているわたしの手にあまります。
しかし、victor wootenのように五輪書を片手に「千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を錬とす」る決意らしいので、及ばずながらつたない助言をさせていただきたいと思い、筆、いやキーを叩いておるわけです。
よくぞ決意なさいました。これぞ真のパドルサイボーグへの道 !!! 
ここは是非、スピン道の奥儀を窮めていただきたいものです。
筋力トレーニングを考える場合、主動筋、拮抗筋といったところをおさえておく必要があります。
例えば、腕を曲げてウエイトを持ち上げる場合

?     ↓ 上腕二頭筋=[主動筋
      力こぶ
?     ↑ 上腕三頭筋=[拮抗筋


逆に、負荷に耐えつつ腕をのばす場合は、上腕三頭筋が主動筋となり、上腕二頭筋が拮抗筋となります。
つまり、ぶっちゃけていうと、筋肉を収縮させる方が主動筋のばされる方が拮抗筋というわけです。

さて、スピンにおける筋使いを検証するならば、右スピンの場合、まず、体を右にひねってタメをつくります。その時左わき腹はストレッチされます。
次に、パドルを水に入れ、パドル位置までカヤックを回転させつつバウを近づけます。
この時、左わき腹の筋肉が主動筋として作動するわけです。
ここまでで180°半回転
つまり、右スピンを100回やる、という事は、左わき腹の筋力トレーニングを200回やることになり、右スピンを1000回だと2000回、10000回だと20000回やることになります。
これでは拮抗筋の脇役に甘んじている右わき腹があまりにかわいそう。悲しい 
筋肉バランスがあまりに悪く、腰痛の原因になりかねませんなダメ
というわけで、例えばマイクロホールでスピンを10回やったら、横のエディーでスピンを10回やって、という具合に主動筋、拮抗筋の役割をかわりべんたんしてあげるとどうでしょうか。バニー
これにより、烈しい朝鍛夕錬の稽古に耐えうるでありましょう。

震災の日々

春の日差しがうららかな3月でした。
粉塵とびかう近所の中央公園の野球グラウンドに、つぎつぎと救援物資を積んだヘリコプターが着陸してきました。
「ヘリコプター見にいこか」
ガキを連れてのこのこと物見遊山に行くと、元上司、現主婦のおばちゃんがベビーカーに母親似の根性がすわった顔つきのあかんぼうを乗っけてやってきました。
「戦争みたいやなあ」落ち込み
「ほんまですねえ」困った
MASHっていう映画がありましたが、ちょうどあんな感じでした。
サラリーマンというのは、変わらぬ日常をとにかく淡々とこなし、常に安定を求める、といった意味で農耕社会の発展形といった趣がありますが、震災で会社の機能がマヒしてしまうと、何が起こるかというと、狩猟採集社会に変わるわけです。
どーいうことかというと、会社に通勤する代わりに、まず情報の収集からはじめます。どこでどんな救援物資が手にはいり、どこの店が開いていて、どこに行けば水が手に入るか。
特にライフラインがマヒしている状況で水の確保は最優先課題です。
自衛隊がどこで水の配給をしているか。どこにもらいにいったらあまりならばんですむか。
便所の水は近所の川からくみ上げる。
などなど、いろんなノウハウが蓄積されるわけです。
水を金で買うという、それまであまり考えられなかった事が定着し始めたのも、このへんの時期からではないでしょうか。
あとは食料をもらいに行ったり粉塵マスクをもらいに行ったりと、とにかく日常的に並ぶ、という行為が多くなりました。
なんかの時に並んでいると、空にヘリコプターが飛んできました。
報道のへりです。
なんでわかったかというと、下から見上げると、機体の腹に放送局のマークが見えたのです。
あの目玉ともお○んこともつかない変なマーク。
そう、今話題のフジテレビのへりです。
我々は、非常に無感動落ち込みに、醒めた気持ちで、これを眺めていました。
そのうちひとりが、手でピストルの形をつくってへりに向けて、「バン!」ロケットと言い、虚しく嗤いました。
わたしには、こんな中にホリエモンがいたような気がして、しかたがありません。
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